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日常つらつら日記

気の向くまま綴りごと

主観的、客観的な視点の作品
一穂ミチの作品
読み終えて毎回微妙な気持ちになるんだけど

どうにも引っかかるのは
文体に作者が出すぎているのもあるけど
話を読んでいて
登場人物の視点ではなく
作者としての視点が入っていて
主観的な作者の観念を思い知らされる
からなのかもしれない
と思った

他の人がこの話を書いても
内容が引っ掛かりそうだ
と思った作家に
あさのあつこがいるけど、

それをかんがえても、
やはり本人の感情がまず表に出ていて
若干の作者の我や考えの強さを思い知らされる

引っかからないだろうと思える
大沢在昌は
俺はこう思ってる!って言うか、常識って普通こうだよね?
それって当たり前なんだけど?
みたいには感じさせない

登場人物はこう思ってるよ、というのは書くけど
客観性を持って、一歩下がった感じで
書いてる気がする

のめり込んで書いてるけど
突き放してる感じ

登場人物の誰かに異常に肩入れして
作品の中で一人だけを超優遇する
(周りに異様に好かれていたり、その人だけには
酷い出来事が起きなかったり、上手くすり抜けられたり)
ことはないと思う

肩入れしているキャラにも
キッチリ公平に地獄に叩き落としそう
(むしろ肩入れしていたら余計に
救いのないところに落としそう)


でも主観的と思う作家は
自分が気に入ってるキャラを
個人的に優遇してる感じ


客観性イメージの作家に
あのキャラ嫌い、と言っても
ああそうなんだ、合わなかったんだね
で済ませてくれそうだけど

主観的イメージの作家に
作家の一押しのキャラを
あのキャラ嫌い、と言ったら
なんで良さがわからないかな?!って
文句言われそうなイメージ


表面的に平静を装ってても
「ふーん、そうなんだぁ。へーえ、そう。へーえ」って
そういう人なんだぁーみたいに
ずっとネチネチ言われそう

そんな雰囲気を感じる


一穂ミチにキャラの肩入れは感じないけど
この人の描く主役級になる人は
全く興味を持てないことに気付いた

読んでいていいなと思えるのは
仕事の描写、うんちく、情景描写であって
人物ではない
人物で一番好印象なのは毎回脇役

速記者の話ではおじいさん
藍染めの話では、喫茶店のマスター
is in you では佐伯

でも佐伯が主役の話では、佐伯は全く好きになれなかった
むしろどうでもいい
というか、思考と行動が違うのでややこしすぎて
何考えてるのか最後まで掴めなかった
台詞も、本人が本気で言ってるのかが
自分には分からなかったし

主役級の思考に自分がイマイチ乗れないのは
作者の考えと自分が添ってないからじゃないのか
という気がする

作者の考えが多少なりとも
主役二人に入り込むから、
自分の場合、ダメになってしまうんじゃないかな

全く考えが合わない作家は
「へぇ、こうなっちゃうの?」と
ビックリ箱みたいで楽しい場合もあるんだけど
なんだかこの人の作品を読むと
読んでいる最中には
身体が捻じ曲げられるような変な感覚。
読んだ後には
地味な不快さがくる

無神経なキャラが多いけど
無神経な態度としては書かれていないところに
自分が無神経さを感じてしまうせいなのか

楽しみたいのに
決して面白くないわけじゃないのに
なんでこうなるんだろ
と、自分でも首をかしげるくらい
なんだかモヤモヤ


この作者はうんちくと情景描写を描きたいがために
描いてる気もする

一回作者色を消した話を読んで確かめてみたいんだけど
あまりにも地の文に作者が出張る人なので
そんな本はないか

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