●is in you
一穂ミチ
まだ読み途中だけど
この作者は不倫とか、人の彼氏を奪うとか
好きな人を持ちながら、体だけは別の人で発散する
というのを、アリだと見なしているんだね
会社の上司(既婚・男)と付き合っている受に対して
同じ職場に働いている女の子が「現地妻」とからかって言うけど
それを悪いことではなく、ほんの軽口として書いてある
言われた方も、もーやめろよー的にあっさり受け止めている
でも不倫をあっさり認めて笑いのネタにしてる同僚女は嫌いだ
不倫する人と同類って感じ
サバサバ系の仕事できる良い女として書かれてるけど
単なる無神経な、自分イケてる勘違いウザ女に見える
既婚だと分かっていて、割り切って付き合ってるからいいんだ
という思考で付き合っている本人と、
あなたが幸せにならないから既婚者は止めろという女の子の友達
この「あなたが幸せにならないから」が引っ掛かる
つまり、自分の欲の為に人を利用することは構わない、と
自分の為に人を利用する=OK
自分が幸せにならない=NO
この思考が大前提なんだよね
だから不倫=互いが理解し合ってればいいんじゃない?不毛だけど
という発想になる
随分身勝手な考えじゃない?
不倫してる奴が幸せにとか、すごいバカらしい。
軽い気持ちで人を不幸にしているのに
割り切っていても、慰謝料請求されることをしているんだけどな。
多分作家本人が
二番目に好きと言われるシチュエーションが好き、とか
割り切った関係カッコイーとか
そういう思考にあるんだと思う
キャラがそういう思考ではなくて
この物語の根底がそういう世界観になってる気がする
出会いが遅かったという夢見がち思考でもなく
ただ「海外に赴任している間だけ割り切った恋人でいましょう」
ということだが、
自分以外の既婚者の家族を傷つけてるとか
そういう思考はどこにもない
自分は二番手だと理解してるからいいでしょう
相手が帰国したら二度と会わないんだし、みたいな
変な図太さがある
(こういう奴に限ってまた会うんだろうなーと思うが)
「現地妻」と言い放つ同僚の女の子にも
似たような思考を感じる
目の前に相手がいて
妻が遠くにいて
目の前の男がその気になってて
付き合ってなぜ悪い、みたいな思考に近い
勿論、奥さんにちょっとした罪悪感を持ちながら
付き合ってるんだけど、
それも自分を燃え上がらせる一つのネタに見える
で、結局既婚男と不倫している間に他の相手とも付き合って
そっちに乗り換えて、その相手が昔から
好きだった人で、ハッピーエンド
うーん。良く他の奴とやってる奴を抱けるなぁ
その不倫相手と別れてもいない状態で。
要するに二股でしょ?
一途に好きだったと言いながら、攻は受の不倫関係に
嫉妬しつつ、その関係の清算前に自分も参戦
不倫相手に対して「どこがいい奴だ」と怒ってるが
お前も単なる横入り状態でHをして・・・
なんか、まともな人いないなぁと感じた
二股してるその相手でいいんだ?
と疑問に思うし
「不倫男とはもう会わないって言ってるから俺は信じる」
と言うが、お前が二股相手になってるし
二股かける奴信用に足る奴かなぁ?
そんな言葉が見合う奴かな?と思うが
もう「相手を俺は信じる」=美談みたいに話が進んでる
えーそれでいいんだ?
って感じ
変な話の進み方・・・と思った
これで不倫する子がアバズレ設定ならともかく
身体は明け渡すけど、心はずっと昔好きだった相手一筋
純情で良い子です、幸せになるのにふさわしい子です
みたいな設定だからどうにもモヤモヤ
不倫相手の既婚者・佐伯が
どうせもうすぐ自分は帰国するんだから
いる間はダブルブッキングするな
そのくらい気を遣え、と言っていて
そっちの方に頷いてしまった
この全体の不倫容認の空気は作者の思考だと思う
なんで不倫?と怒ってるキャラさえ
言葉では怒ってるけど、本心はあんまり怒ってない感じ
だから多分心の底でアリなんだろうなーと
作者が思ってるのが伝わってくる
人を傷つけても自分の楽しみや利益を取る
当たり前でしょ?
みたいな空気を全体から感じる
今まで不倫=悪い!と
本ではほとんど思ったことなかったし
身体だけの関係でも気にならなかったのに
(むしろ気持ち分かる、しょうがないよね、や
もっと行け!と思うことが多かった)
この作者のはなぜか気になる
あー悪気ない系かぁ
みたいな。
そっち方面の思考の持ち主なんですねー
じゃあ一生こっちの気持ちは分からないか―みたいな気持ち
あ、ここまで書いてなんとなくわかった
男女問わず、登場人物が無神経に感じる部分が多いのかも
普通の人特有の性格の悪さがある
仕事できる人には、図々しく無神経で
他者を踏みつけにしてのし上がるタイプ
(無意識に何人か自殺させてそうな人)がいるけど
登場人物関係なく
読んでるとそっち系の人を想像してしまう
うーん。多分何かが引っ掛かってるんだろうな
何だろう?
同じ内容を木原音瀬が書いたら
きっと何も引っかからないと思う
(人物に対しては色々思うだろうけど
作者に対しては思わない)
大沢在昌が書いても引っかからなさそう
でもあさのあつこが書いたら引っかかりそう
話がどうとかではなく、この作家は
話の内容、キャラクターよりも
作者の存在を強く感じる
どう思って書いてるのか、とか
どうしようとしてるか、とか
そっちを感じることが多い
話はうまいと思うけど
(主人公は二人とも興味わかないが、佐伯の部分がいい)
やはりふーんで終わってしまう
この人の作品で泣けるものあるのかな
文は上手いし、気になる部分も
面白い部分もあるけど
なんだろう
大元の作者の思考が自分と合わないかもしれない

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